自分との向き合い
それから病院に通う日々が続いた。
正直なところ、病院に行ってカウンセリングを受けながら薬を飲んでも回復している気はならなかった。
そして一年間は、とりあえず病院に通って家事をしての繰り返しだった。
最初は強迫症は治る!と意気込んでいたのに、段々と病院に行くのが億劫になり、しかも治らない気がしてきてしまった。
そんな時、もう一度強迫性障害について基本を知りたいと思い、ある本を購入した。
図や絵も入っていて、本人からしたら「そうそう!そうなんだよねー....」と納得の内容。
でも一番大きかったのは、家族の理解度が深まったこと。
私が心の病気にかかると思ってもみなかった母にとって、私が強迫性であるのはどこか受け入れ難いようだった。
なんとなく口で説明しても、深堀するのが怖いのかな?という感じさえした。
それがこの本をキッカケに、病気に対する興味と理解を示し始めてくれた。
そして後に、この本の著者である原田先生には症状の改善だけでなく人生の在り方について救われることになる。
世界が変わった日
全く強迫性障害という言葉も
そんなものがあるとは知らず
ただ昔から過度の心配性だと思ってた。
結婚して半年くらい経った時くらいから
洞察力がある夫は
私がただの心配性ではなく
病的な症状じゃないかと気づいた。
精神的な病院に行くなんて
最初は気が引けた。
でも、自分の中では「心配性だから仕方ない。一生この自分と付き合わねば。」
そんなのは嫌だった。
だから、勇気を振り絞って病院に行くことを決意した。
病院に行くと、強迫性障害と軽い鬱気味と言われた。
その時、なんだか心が軽くなって安心した自分がいた。
【病気は治療すれば治る】
そんな思いが、私の心に浮かんだ。
治せる。
心配や不安でさえも、減らせる。
それと同時に、みんなそれぞれ心配や不安を持っているものだと思ってはいたけれど、「世の中の人は私ほど悩みという悩みを探したり心配してる訳じゃないんだ。」
そう思うと世の中で少し生きやすくなるかも、そう思えた。
自分が今まで見えてる世界が変わった日だった。
不安と不満の悪循環サイクル
2年前に大好きな人と結婚をして
心から幸せだった。
.....それなのに、結婚してからは
それに伴う手続きや慣れない主婦業で
知らない間に症状が悪化していた。
何もしていない日でも不安や心配が
軽く10個くらいあった。
目に見えないものに毎日追われている気分で、体調も崩し気味だった。
家族や周りからしたら、優しくて経済力もある人と結婚をして、幸せなはずなのに体調を崩したり、浮かない表情だったりして「何が不満なの?」と言われた。
「自分に不安と不満がある」
今思うとそれが唯一の答えだった。
その頃の私は、症状の悪化を恐れて
バイトもしたいとは思わず
外で人に会いたいとも思わなかった。
ただ色んな不調があったので
内科、心療内科、眼科、皮膚科、耳鼻科
病院巡りが私の日課だった。
それでも予定はあるだけマシだと
そんな日々を過ごしていた。